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五月十二日(雨)

◎季節外れの台風の中、名古屋駅近くで開催された某コミックレーベルの意見交換会に参加。こういう場に招かれるのは初めてで、個人店からは自分だけだった。場慣れしている人の話をずっと聞いている感じになってしまったが、他店の担当者さんがどのようにコミック売場を作っているかが透けて見え面白かった。

五月十三日(晴)

◎『音のない世界と音のある世界をつなぐ』(松森果林著)を読む。ユニバーサルデザインへの理解を深めることは、今生活している社会への想像を促し、考え方を拡げてくれる。時に自分の仕事に引きつけながら興味深く読み、品揃えが面白いだけでなく日常的に使いやすいお店であるための、ヒントが見えたような気がした。

五月十四日(曇)

◎七月発売予定の『名古屋の昭和』(樹林舎)の二回目の折り込みチラシが中日新聞に入った。一回目の広告の後、問い合わせが多かったので少し身構えていたが、今回はそれほどでもなかった。ただ予約そのものは順調に集まっている。一万円を超える高額商品なので期待。

五月十七日(晴)

◎大島真寿美さんが某社の編集者の方とご来店。当店は大島さんの地元の店として、著作を揃えたコーナーを常設している。雑談や買い物の後、お店用のサイン本を書いていただく。「きらら」連載も完結とのことで、単行本化が待ち遠しい。

五月十八日(曇りのち雨)

◎『ふしぎの国のバード』1巻(佐々大河著)を読む。明治初頭、イザベラ・バードの日本での旅路を漫画化したもの。当時の日本の風景が興味深く、漫画ならではのアレンジも効いている。知的好奇心を刺激する冒険記で、『日本奥地紀行』はもちろん、いろいろ読んでみたくなる。それは、書店員からすれば、いろいろくっつけて売ってみたくなる、ということでもある。

五月二十日(晴)

◎午前、日販名古屋支店の店売に仕入れに出かける。ここには月に三、四回ほど来ているが、同業者の姿は時々見かける程度。商品を見て仕入れることができる貴重な場所なので、存続のためにももう少し利用されてほしい。 
◎午後、吉祥寺のひとり出版社・夏葉社の島田さんが新刊の営業でご来店。今回の新刊は詩に関するもの二点。束見本など見せていただいて、ああ、夏葉社さんの仕事だな、と嬉しくなる。すぐに注文数を書いて渡す。入荷が楽しみだ。

五月二十三日

◎「コーヒーと一冊」(ミシマ社)が創刊。コーヒータイムに軽く読みきれるボリュームで、「これから」の書き手の活きのいい作品を、書店により大きな利益が出る形で刊行していく注目の取り組み。創刊ラインナップに楽しみにしていた作品が入っており、買切(返品できない条件)だが、張りきって仕入れた。不況という言葉で総括されやすい閉塞した現状を大きく変えるための一歩。個人店の身軽さをもって、魅力的に見えるものには積極的に関わっていきたい。

 

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