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  書店マル秘業務日誌熱烈インタビュー 作家さん直筆メッセージPICKUP著者インタビュー書店員さんおすすめ本コラムコミックエッセイ!「本の妖精 夫久山徳三郎」

五月十五日(曇)

◎朝、電車に乗って本を読もうとすると、本がない。多いときには三、四冊も鞄に入っているのに、こういう事がたまにある。昼休みに本日発売の『寿司屋のかみさん 二代目入店』を購入。もともと寿司好きだけれど、先日柚木麻子さんの『その手をにぎりたい』を読んでから、寿司が気になって仕方がない今日この頃。

五月十六日(晴)

◎某出版社の営業の方が来店され、辞めることになりましたと。不景気な話に突入してしまうのだけれど「こんなに大変なのに、なんでみんな続けられるんでしょうね?」との問いに、しばし「……」。結局「ここがなくなると困ると思ってくれるお客さんがいる限りは続けたい」としか言えないのだった。

五月十七日(晴)

◎今日は月に一度の絵本のおはなし会の日。今回で六十二回、既に六年目を迎えている。お話をしてくれるのは、地元の主婦グループ。この中の一人・Iさんとのお付き合いはかれこれ十一年。本屋大賞が始まる前に、仕掛けていた『博士の愛した数式』のPOPを見て「これを書かれた方ですか?」と声をかけられたのが出会い。それまでも自分が“売れ残ったら自分で買おう”と1冊だけ仕入れた、あまり自店向きじゃないのに売れるという現象が起こり、この店にもそんなお客さんがいるのか!? と思いきや、買っていたのがこのIさん! 彼女との出会いは、自分史上まれにみる出会いのひとつ。

五月十八日(晴)

◎休み。中島要さんの『ひやかし』読了。吉原の妓たちの物語集。朝霧の意地の張りにもしびれたが、最終話に泣かされた。

五月二十日(曇)

◎朝から『妖怪ウォッチ ファンブック3』の問合せが相次ぐ。版元からの情報は特になく、お客様もネットで見たというばかり。疑心暗鬼で版元に訊ねると、七月発売でしかも付録にメダルが付くと! 部数も決まっておらず、これまた非情な争奪戦になること間違いなし。

五月二十二日(晴)

◎大阪の本屋仲間(厳密に言えば、私は大阪ではないのだけれど)と一緒に作っている本の表紙デザインが上がってきた。めちゃくちゃ素敵! 来月の発売が待ち遠しい。書名は『西加奈子と地元の本屋』。西加奈子さんの『円卓』の映画化をきっかけに、本屋が作る本というのを仲間とやり始め、まずは第一弾。

五月二十三日(晴)

◎月に一度のOBOP(大阪ブックワンプロジェクト)の会議に出席。OBOPとは昨年から始まったプロジェクトで、大阪の本屋と問屋がほんまに読んで欲しい本を選び、約半年間店頭で売り続け、その収益の一部で大阪の児童福祉施設の子どもたちに本を贈るというもの。第1回受賞作の高田郁さんの『銀二貫』は、大阪府下で五万部以上を売り上げ、NHKでドラマも放送中。第二回受賞作は七月末に発表! それまでにやらないといけないことが山盛り。

 

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