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  書店マル秘業務日誌熱烈インタビュー 作家さん直筆メッセージPICKUP著者インタビュー書店員さんおすすめ本コラムコミックエッセイ!「本の妖精 夫久山徳三郎」

一月十日(晴)

◎いきなり毒を吐く。
 昨日入荷したばかりの某新刊が、また今日新刊ラインで3冊入荷。はて? とよくよく観察してみると、〈某TV番組で絶賛!〉の帯が。その番組、明日放送なんだよな。
 何だか妙に売れて行く本を手に取っているお客様に、「それ何かで紹介されましたか?」「いやTVでやってておもしろそうだったから」「そうでしたかー、今売れてるんで早目に買われた方がいいですよ!」「やっぱりそうなんだ! じゃあ買って行きます!」なーんていう会話が書店にはたくさんあるのだ。本をお客様に届ける貴重な機会を奪わないで欲しい、かな。

一月十二日(晴)

◎いつもよくして頂いている版元営業さんが、編集・制作された『沈黙の向こう側 豊崎光一追悼集』を読了。フランス文学者 豊崎光一を追悼する文集。著名な仏文関係者、学習院卒業生、ご親族の故人への愛情と尊敬がよく伝わる。
 そして仏文をもっと勉強したい、そのように思わせる力を感じる。本とはこのように作られなければならないのかもしれない。仏文出身には再チャレンジの、入門者には希望となる本だと思う。

一月十九日(晴)

◎センター試験終了。まだまだ受験は続くけど、ひとまず学参の問い合わせも落ち着くはず。
 年末から年明けにかけて、毎年のことながら学参担当は瀕死の状態だ。直接担当でなくても、手違いがあっては人生に関わる恐れのある大事なコンテンツなので、緊張を強いられる。
 本屋も出来うる限り手を尽くしております。受験生のみなさん、もう一踏ん張り、頑張って!

一月二十二日(晴)

◎とある版元さんと来月出る新刊でフェアの相談をする。とても楽しい。日々出る新刊を並べるのも仕事だが、一冊の本に焦点を当て、どうすればお客様の目にとまるか試行錯誤し、準備。一冊の本を大事に売りたい。
 いつも自分の売り上げにならないことばかりやってしまいますが、楽しくて仕方がない(笑)!

一月二十三日(晴)

◎先日詩人の吉野弘さんが亡くなられた。私の中ではやはり、『祝婚歌』が一番印象深い。六月になると、吉野さんの詩集をそっと平積みしたものだ。月を問わず売れるものではあったけれど、六月に吉野さんの詩集を「プレゼント包装して下さい」、とレジで言われると、本当に嬉しかった。立派過ぎないほうがいい、よく効く言葉だ。ご冥福をお祈り致します。
 茨木のり子さんが亡くなった時のように、とても残念です。日本語の使い手がいなくなる、という気がして仕方がない。

一月二十七日(晴)

◎いよいよ今日は棚卸。消費税が上がる関係で、直扱いの商品のあるジャンルは大変そうだ。我が文芸チームは芥川・直木賞があることを想定し、かなり早い段階で在庫整理を済ませたので、少し呑気に出勤中。

 

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