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  書店マル秘業務日誌熱烈インタビュー 作家さん直筆メッセージPICKUP著者インタビュー書店員さんおすすめ本コラムコミックエッセイ!「本の妖精 夫久山徳三郎」

十二月十二日(曇)

◎クリスマスの雰囲気を演出するためにサンタの帽子をかぶり勤務。お子様から「サンタさんだ」との声をいただきニヤリ。夕方バックヤードにて雑誌の検品中、ふと頭に寒さを感じる。いつのまにか外していたサンタ帽の意外な防寒力にニヤリ。冬来りなば春遠からじ。

十二月十三日(晴)

◎本格的なクリスマス商戦始まる。新刊の検品中に「岩明均特集 ユリイカ」を発見。ニヤリ。家に帰りふと気になって本棚をゴソゴソ。奥の方に「大友克洋特集 ユリイカ」と「福本伸行特集 ユリイカ」が鎮座。沈思黙考。ニヤリ。

十二月十四日(晴)

◎千客万来。満員御礼な一日。ニヤニヤする暇もない忙しさ。ご来店のお客様とヘトヘトになっているスタッフに、心の中で大入り袋を配る。自称「エア大盤振る舞い」。みなさんお疲れ様。

十二月十五日(曇)

◎日曜日には日曜日の、月曜日には月曜日の忙しさがある。取次の営業担当者の異動を知る。ゆく川の流れは絶えずして、しかももとの水にはあらず。書店も毎日変わらぬ場所で営業を続けているが、働く人、関わる人、商品、お客様、日々刻々と形を変えていく。ホロリ。

十二月十七日(晴)

◎新書の店出し中に補充した商品の二つ隣にあった書籍にふと目が留まる。これぞ本屋の「この商品の隣の隣にはこんな本があります」という、インターネットにはない機能である。店出しをすべて終えた後、その本を買って帰る。品出しして時にこれを購う亦楽しからずや。

十二月十八日(晴)

◎週休日。昨日買った『孟嘗君と戦国時代』(宮城谷昌光著)を読む。

十二月十九日(晴)

◎忙中閑あり。これから増えてくるクリスマスのプレゼント包装に備え、レジカウンターの資材を整理整頓。毎年25日まではラッピング専用の人員が必要な程の忙しさとなる。サンタさんたちが一生懸命選 んだ絵本をラッピングしながら、絵本を目にした子供たちの笑顔を想像する。

十二月二十日(曇)

◎カレンダーの問い合わせがピーク。「こんな感じだけど、これより大きくて、色はこれと同じ商品ありますか」というお客様に、ピンポイントで商品をお渡しできてニヤリ。これから一年間、共に過ごすカレンダー・手帳たち。しっかりやるんだぞ! と親心を込めて送り出す。

十二月二十一日(曇)

◎クリスマス前、最後の週末。売り場もレジもお客様とスタッフで大賑わいとなる。今年も無事にこの日を迎えられたことに感謝しつつ、大忙しの一日を過ごす。夕方、休憩室で珈琲を一服。不意に仕入れから「明日、荷物が大幅に遅れます」との一報。荷物が遅れれば検品も遅れ、品出しの準備も遅れる。「それでも朝が来れば売り場に雑誌が並ぶ。それが書店員の矜持なのだ」等と恰好をつけて珈琲をグイッと飲む。

 

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